実家の親が特殊詐欺や悪質訪問販売のターゲットに?離れて暮らす家族ができる防犯対策【2026年】

「実家の親が、オレオレ詐欺の電話に出てしまうかもしれない」「訪問してきたリフォーム業者に、言われるまま契約してしまわないか」——離れて暮らす70代の親を持つ40〜50代なら、ニュースを見るたびにこうした不安がよぎるはずだ。とはいえ、いきなり警備会社との契約を勧めても、親本人が「自分は大丈夫」「お金がかかる」と抵抗するケースは多い。この記事では、2025年の特殊詐欺・悪質訪問販売の実態データをもとに、契約前提ではなく、電話・訪問という侵入経路そのものを塞ぐ低コストな対策から、セコム・アルソックの見守りサービスまで、段階を追って解説する。

実家を狙う特殊詐欺、2025年は被害額1423億円で過去最悪

警察庁が公表した確定値によると、2025年の特殊詐欺の認知件数は2万7832件(前年比32.3%増)、被害額は1423億1000万円(前年比98.0%増)で、いずれも過去最悪を更新した。1日あたりの被害額は約3億9000万円、既遂1件あたりの被害額は523万6000円にのぼる。

とりわけ深刻なのが高齢者の被害だ。65歳以上の認知件数は1万4273件で、法人被害を除いた総認知件数の51.3%、被害総額の59.2%を占める。実家で一人暮らしをする親世代は、まさにこの数字のど真ん中にいる。

親の世代が狙われやすい特殊詐欺の手口

  • オレオレ詐欺:息子や孫を装い「会社のお金を使い込んだ」「示談金が必要」などと電話し、現金を用意させる
  • ニセ警察官詐欺:警察官や金融庁職員を名乗り「あなたの口座が犯罪に使われている」とキャッシュカードを騙し取る。2025年に特に増えている手口とされる
  • 還付金詐欺:役所職員を装い「医療費の還付がある」とATMに誘導し、実際には振込操作をさせる
  • 預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗:銀行協会や警察官を名乗って自宅を訪問し、キャッシュカードをすり替えて盗む
  • 架空料金請求詐欺:「未払い料金がある」とハガキやSMSで連絡し、コンビニ収納代行などで支払わせる

2025年の検挙者6575人のうち、現金やカードを受け取る「受け子」が1379人と約6割を占める一方、指示役など主犯格の検挙はわずか69人にとどまる。実行犯は使い捨てのように入れ替わり、司令塔にたどり着きにくい構造になっている点は、警察庁が「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」と呼ぶ組織形態の特徴でもある。この犯行構造の詳細はトクリュウとは?危険な犯行手口と家族を守るための具体的な対策で解説している。

悪質訪問販売も高齢者を狙う——「お金」「健康」「孤独」につけこむ手口

国民生活センターによると、高齢者は自宅にいる時間が長いことから、訪問販売や電話勧誘販売による被害にあいやすい傾向がある。年齢が上がるほど、訪問販売・電話勧誘販売・訪問購入に関する相談の割合が高くなる傾向も指摘されている。悪質な業者は、高齢者が抱えがちな「お金」「健康」「孤独」への不安につけ込み、屋根や床下の点検を口実に不安を煽って高額な修理契約を結ばせる「点検商法」や、話し相手になりながら次第に商品を売りつける手口が典型例として報告されている。

訪問販売で契約してしまった場合でも、法律で定められた書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができる。業者がクーリング・オフの権利行使を妨げるような言動をした場合は、この期間が延長される規定もある。「もう契約してしまったから取り返しがつかない」と親が思い込んでいるケースもあるため、この8日間のルールを離れて暮らす家族が知っておくだけでも初動が変わる。

なぜ「防犯サービスを勧めても親が嫌がる」のか

子ども世代が心配してホームセキュリティや見守りサービスを提案しても、親本人は乗り気にならないことが多い。背景にはいくつかの心理がある。

  • 正常性バイアス:「自分は詐欺に引っかかるほど愚かではない」という思い込みが、対策を遠ざける
  • 費用への抵抗:月額数千円でも「今まで何もなくやってきたのに」と支出増を嫌う
  • 監視されている感覚:緊急通報ボタンや見守りカメラを「監視・管理されるようで嫌」と受け取る
  • 手続きの煩雑さへの不安:工事や契約という言葉自体に腰が引ける

こうした心理があるからこそ、いきなり「警備会社と契約しよう」と持ちかけるより、工事も契約も不要な対策から始め、必要に応じて本格的なサービスへ段階的に引き上げる方が受け入れられやすい。

まずは低コストで始められる、電話・訪問への対策

①電話対策:防犯機能付き電話機・自動通話録音

特殊詐欺の多くは固定電話への着信から始まる。着信時に「この通話は防犯のため録音されます」と自動でアナウンスする機能や、通話を自動録音する機能を備えた電話機に買い替えるだけで、犯人側が録音を嫌って電話を切る効果が期待できる。既存の電話機に後付けできる自動通話録音機を配布・貸与している自治体もあるため、まずは実家の市区町村のホームページで確認するとよい。留守番電話を常時オンにし、知らない番号にはすぐ出ない設定にすることも基本の対策になる。

防犯機能付き電話機をAmazonで探す →

②訪問対策:インターホンカメラ・宅配ボックス・防犯ステッカー

訪問販売やキャッシュカード詐欺盗は、実際に自宅の玄関先まで来られてしまうと押し切られやすい。モニター付きインターホンをカメラ付きタイプに交換すれば、来訪者の顔と会話を記録に残せるうえ、居留守を使いやすくなる。宅配ボックスを設置すれば、そもそも荷物の受け取りを理由にした対面接触の機会自体を減らせる。「訪問販売お断り」のステッカーを玄関に貼っておくことも、業者側の心理的な抑止になる。玄関まわりの対策全般は玄関の防犯対策おすすめ完全ガイドにまとめている。

モニター付きインターホンをAmazonで探す →

本格的に備えるなら:セコム・アルソックの「見守り」プラン比較

低コストな対策と並行して、離れて暮らす家族が安否や緊急時の対応まで任せられるサービスを検討する場合は、セコム「親の見守りプラン」とアルソック「みまもりサポート」が代表的な選択肢になる。両者は似た名前だが、カバーする範囲が異なる。

項目 セコム(親の見守りプラン) アルソック(みまもりサポート)
月額費用(レンタル) 5,610円(税込) 2,838円(税込・レンタルプラン)
月額費用(買取) 3,520円(税込) 1,870円(税込・お買い上げプラン)
初期費用(レンタル) 工事料54,890円+保証金20,000円(税込、契約満了時返却) 設置費13,365円(税込)
初期費用0円プラン 要問い合わせ ゼロスタートプラン(月額3,069円)
緊急通報ボタン ◯(マイドクター、生活防水対応) ◯(緊急ボタン)
安否・見守り機能 ◯(室内の無動作を検知して自動通報) オプション(ライフリズム監視・熱中症見守り)
侵入・火災センサー ◯(窓・扉の侵入センサー、火災センサーを標準搭載) ×(みまもり特化、防犯センサーは含まない)
駆けつけ 24時間365日・無料 緊急時は無料。緊急以外の依頼は1回7,700円(税込)
健康相談 看護師による24時間無料相談 看護師資格スタッフによる24時間相談ボタン

※価格は2026年8月時点の各社公式サイト掲載情報。工事費・機器費は建物の状況によって変動するため、正確な金額は無料見積りで確認してほしい。

セコム「親の見守りプラン」の特徴

セコムのプランは、安否確認だけでなく窓・扉の侵入センサーや火災センサーも標準搭載した「ホームセキュリティ+見守り」の一体型になっている。訪問販売業者が居座るなどの不審な事態が起きた際も、非常ボタンで防犯対応の通報ができる点は、今回のテーマである訪問販売対策とも相性がいい。月額費用はアルソックのみまもりサポートより高めだが、防犯と見守りを1台でまとめたい家庭に向く。詳しい評判・料金はセコム・ホームセキュリティの評判・口コミ・料金、月額費用全体の内訳はセコム 料金・月額費用の全まとめで確認できる。

セコムの無料見積もりを依頼する →

アルソック「みまもりサポート」の特徴

アルソックのみまもりサポートは、安否確認と緊急通報に機能を絞ったサービスで、月額費用を抑えやすいのが特徴だ。侵入検知などの防犯センサーは含まれないため、防犯面も強化したい場合は、別途ALSOKホームセキュリティの評判・口コミ・料金で紹介している通常のホームセキュリティプランとの組み合わせを検討するとよい。料金プランの全体像はアルソック 料金・プランを徹底解説にまとめている。緊急通報ボタンを常に身につけられるペンダント型を使いたい場合はアルソック見守りペンダントの料金・使い方も参考になる。

アルソックの無料見積もりを依頼する →

もっと手軽に始めたいなら:郵便局・アプリ型の見守りサービス

「いきなり警備会社は親が拒否しそう」という場合、まずは月額利用料が安く心理的なハードルが低いサービスから提案する方法もある。郵便局員が定期的に自宅を訪問して生活状況を報告してくれる郵便局のみまもりサービスや、スマートフォンの操作履歴から安否を推測するタイプの高齢者みまもりアプリは、機器の設置工事が不要で導入しやすい。防犯対策としてのグッズ全般を比較検討したい場合は離れた親の見守りグッズおすすめ10選高齢者の一人暮らし向け見守りグッズおすすめ10選も参照してほしい。

見守り用の緊急ボタングッズをAmazonで探す →

親を説得する4つのコツ

  • 「あなたのため」ではなく「孫や家族の安心のため」と伝える:本人の弱さを指摘する言い方は反発を招きやすい。「自分が仕事中でも実家の様子がわかると安心できる」と、子ども側の事情として伝えると受け入れられやすい
  • ニュースの実例を一緒に見る:抽象的な注意喚起より、実際に報道された被害事例を一緒に確認する方が、当事者意識を持ちやすい
  • 無料・低コストの対策から段階的に:いきなり月額数千円のサービスを勧めるのではなく、防犯機能付き電話機や郵便局のみまもりサービスなど、費用負担の小さいものから試してもらう
  • 帰省時に一緒に手続きする:契約や設定を電話越しに任せるより、帰省時に一緒に申し込み・設置まで済ませる方が、親の心理的抵抗も手続きの負担も小さくなる

よくある質問

Q. 親がすでに詐欺の電話に出てしまった形跡がある場合は?

お金を振り込んでいなくても、警察相談専用電話「#9110」や、地域の消費生活センターに相談できる。振込やキャッシュカードの受け渡しをしてしまった場合は、110番と金融機関への連絡を優先し、その後に警察・消費生活センターへ相談する流れになる。

Q. 訪問販売で高額な契約をしてしまった後でも解約できる?

書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフの対象になる。期間を過ぎていても、業者が説明を怠っていたり、クーリング・オフを妨害する言動があった場合は解約できる可能性があるため、自己判断で諦めず消費生活センターに相談するとよい。

Q. 親が「監視されるようで嫌だ」と見守りサービスを拒否する場合は?

緊急通報ボタンだけの最小限の機能から始める、家族側からの発信履歴だけを確認できるプランを選ぶなど、常時監視ではなく「もしもの時の連絡手段」という位置づけで説明すると受け入れられやすい場合がある。

Q. セコムとアルソックのみまもりサービス、どちらを選べばいい?

訪問販売対策も含めて玄関・窓の防犯まで一体で備えたい場合はセコムの親の見守りプラン、月額費用を抑えて安否確認と緊急通報にまず絞りたい場合はアルソックのみまもりサポートが候補になる。両社とも無料見積りで実家の間取りに応じた金額を確認できる。

まとめ:こんな人におすすめ

こんな人に おすすめの対策
まず無料・低コストで始めたい 防犯機能付き電話機、郵便局のみまもりサービス
訪問販売の対面接触自体を減らしたい モニター付きインターホン、宅配ボックス、防犯ステッカー
防犯と見守りを一体で任せたい セコム「親の見守りプラン」
安否確認・緊急通報にまず絞って月額を抑えたい アルソック「みまもりサポート」

特殊詐欺も悪質訪問販売も、電話や玄関先という「日常の接点」を狙って近づいてくる。契約を急がず、まずは電話機の見直しや訪問対策のグッズから始め、必要に応じて見守りサービスへ引き上げていく進め方が、親本人の抵抗感を抑えながら実家の防犯レベルを底上げする現実的な道筋になる。

セコムの無料見積もりを依頼する →

アルソックの無料見積もりを依頼する →

おすすめの記事