「防犯カメラの映像がネットに流出した」というニュースを見て、見守りカメラや防犯カメラの導入をためらっていませんか。結論から言うと、市販のネットワークカメラは初期パスワードのまま使うと乗っ取りのリスクがあります。ただし原因と対策さえ押さえれば、過度に怖がる話ではありません。この記事では総務省・IPAの公式情報をもとに、実際に起きたハッキング事件、今すぐできる対策、そして乗っ取られにくいカメラの選び方を解説します。
防犯カメラは本当にハッキングされる?実際に起きた事件
「うちのカメラも覗かれているのでは」という不安は、決して大げさではありません。総務省とNICT(情報通信研究機構)が運営する不正アクセス監視プロジェクト「NOTICE」は、ネットワークカメラが乗っ取られた事例を複数公表しています。
- 2023年1月:国土交通省が河川監視に使っていたネットワークカメラ337台が不正アクセスを受け、全台交換となりました。
- 時期不明(NOTICE公表分):小学校や保育所のネットワークカメラがマルウェアに感染し、外部から映像が閲覧できる状態になっていたことが確認されています。
- 2025年11月:保育園や工場など約500件分のカメラ映像が海外のサイトに流出したことが報じられました。原因は、購入時のままの初期パスワードを変更していなかったことです。
海外でも、2021年に米Verkada社で管理者アカウント1件の侵害から約15万台のカメラに外部アクセスされた事件、2025年に韓国で12万台以上のIPカメラが乗っ取られた事件が報じられています。共通する原因は「初期パスワードのまま」「ファームウェア未更新」という、利用者側で防げる設定ミスです。
なぜ防犯カメラは乗っ取られるのか。3つの原因
1. 初期パスワードのまま使っている
総務省のNOTICEプロジェクトでは、「admin」「password」といった初期設定のままログインできる機器が今も見つかっていると指摘されています。ネットワークカメラは購入時、誰でも知っているデフォルトのID・パスワードが設定されているため、変更しない限り誰でもログインできる状態です。
2. ファームウェアが更新されていない
カメラの内部ソフトウェア(ファームウェア)には後から脆弱性が見つかることがあります。メーカーが修正版を配布していても、利用者が更新しなければ古い脆弱性が放置されたままになります。
3. 不要な外部公開設定が有効なまま
ルーターの「UPnP」機能や、外出先からスマホで見るための「ポート開放」設定は便利な反面、設定次第でカメラが直接インターネットに露出してしまいます。使い方を理解しないまま初期設定を有効にしていると、意図せず誰でもアクセスできる窓口を作っていることになります。
今すぐできる防犯カメラのハッキング対策チェックリスト
総務省が管理者向けに公表している注意喚起では、「パスワードの強度」「ファームウェアの更新状況」「不要な機能が無効化されているか」の3点を定期的に確認するよう求めています。家庭用カメラでも考え方は同じです。
① パスワードを強固なものに変更する
初期設定のIDとパスワードは、カメラを設置したその日のうちに変更します。目安は12文字以上、英大文字・英小文字・数字・記号を組み合わせたものです。誕生日や電話番号など推測されやすい文字列は避けます。
② ファームウェアを常に最新に保つ
アプリやカメラ本体の設定画面から、ファームウェアの自動更新をオンにします。自動更新に対応していない機種は、月1回程度は手動で最新版を確認する習慣をつけます。
③ UPnP機能・不要な外部公開設定を無効化する
ルーターの管理画面からUPnP機能を無効にし、外部から直接アクセスできるポートを開けたままにしていないか確認します。外出先から見たい場合は、メーカー公式アプリ経由のクラウド接続を使う方が、ポートを自分で開放するより安全です。
④ 二段階認証を有効にする
スマホアプリでの視聴に対応したカメラの多くは、SMSや認証アプリを使った二段階認証を設定できます。パスワードが漏れても不正ログインを防ぐ二重の壁になります。
⑤ アクセスログを定期的に確認する
アプリの「ログイン履歴」やレコーダーの操作ログを月1回程度チェックし、見覚えのないログインがないかを確認します。異常があればすぐにパスワードを再変更します。
自分で選ぶ vs 警備会社に任せる。ハッキングに強い選び方の比較
ハッキング対策は「自分で設定して管理する」か「警備会社の見守りカメラに任せる」かで、負担も安全性の性質も変わります。それぞれの特徴を整理しました。
| 項目 | 自分で設置するWi-Fiカメラ | 警備会社の見守り・監視カメラ |
|---|---|---|
| セキュリティ管理の主体 | 利用者自身 | 警備会社(専門スタッフ) |
| 通信の扱い | 自宅の家庭用回線・ルーター経由 | 警備会社が管理する専用回線・監視センター経由が中心 |
| 初期設定の手間 | パスワード変更・ファームウェア更新などを自分で行う | 契約時に業者が設定・調整 |
| 異常発生時の対応 | 気づいた人が自分で対処 | 異常検知時に警備員が駆けつける契約もあり |
| 月額費用の目安 | 本体代のみで月額無料のものが多い | 月額プランあり(詳細は各社公式サイトで要確認) |
| 向いている人 | 自分で設定・管理する手間を惜しまない人 | 設定の手間や見落としが不安な人 |
月額費用や契約条件の最新情報は、セコムの料金まとめとアルソックの料金まとめで詳しく確認できます。※料金は変動するため、契約前に必ず公式サイトでご確認ください(2026年時点の情報です)。
Amazonで買うなら。ハッキング対策済みカメラを選ぶ3つのチェックポイント
自分でカメラを選ぶ場合は、価格や画質だけでなくセキュリティ機能も購入前にチェックします。
1. 二段階認証・ログイン通知に対応しているか
アプリでの視聴に二段階認証を設定できるか、見慣れない端末からのログインを通知してくれるかは、商品ページやメーカー公式サイトの仕様欄で確認できます。
2. 技適マーク取得済みの大手メーカーか
無線機器として国内で合法的に使える「技適マーク」の有無に加え、脆弱性が見つかった際にファームウェア修正を迅速に配布してきた実績のあるメーカーかどうかを確認します。
3. 保存方式・暗号化方式が明記されているか
映像をクラウドに保存する場合は通信・保存時の暗号化方式が、SDカード等にローカル保存する場合は本体への物理アクセス対策が説明されているかを確認します。
設定に自信がない人は、警備会社の見守りカメラという選択肢
「パスワード変更やファームウェア更新を自分でやり続ける自信がない」という人には、警備会社の見守りカメラも選択肢になります。セコムやアルソックの見守り・監視サービスは、契約時の初期設定から日々の運用までを警備会社側が管理するため、利用者が個別にセキュリティ設定を見直し続ける必要がありません。各社の詳しいサービス内容・評判・料金は、セコムのホームセキュリティ評判・料金まとめとアルソックのホームセキュリティ評判・料金まとめ、両社を横並びで比較したい場合はセコム vs アルソック比較記事で確認できます。
見守りカメラだからこそ気をつけたいこと
赤ちゃんや高齢の家族を見守る目的でカメラを設置している場合、映し出されるのは室内の生活風景そのものです。万が一乗っ取られたときの被害の重さは、屋外の防犯カメラより大きくなります。見守り用途では特に、カメラを寝室や浴室の近くに向けない、就寝時はレンズカバー付きモデルで物理的に映像を遮断できるようにする、といった設置場所の工夫も対策の一部として意識してください。
よくある質問
Q. すでに設置しているカメラが乗っ取られていないか、自分で確認する方法はありますか?
アプリのログイン履歴に見覚えのない日時・端末からのアクセスがないか確認します。あわせてカメラのランプが自分の操作と無関係に点滅していないか、レコーダーの録画容量が急に減っていないかも簡易的なチェックポイントになります。異常があればすぐにパスワードを変更し、必要に応じてメーカーサポートに問い合わせます。
Q. 古いカメラを使い続けるのは危険ですか?
メーカーのサポート期間が終了しファームウェア更新が提供されなくなった機種は、新しい脆弱性が見つかっても修正されません。サポート終了が案内されている機種は、買い替えを検討する目安にしてください。
まとめ:こんな人にはこの対策がおすすめ
防犯カメラのハッキングは、初期パスワードの変更・ファームウェア更新・不要な外部公開設定の無効化という基本的な対策で多くを防げます。日々の設定管理を自分で続けられる人は、二段階認証対応のカメラを選んで上記のチェックリストを実践してください。設定や見直しに手間をかけたくない人、映像流出のリスクをできるだけ小さくしたい人は、警備会社の見守りカメラという選択肢も検討する価値があります。カメラの選び方をさらに詳しく知りたい人は見守りカメラの選び方完全ガイド、画質面から選びたい人は防犯カメラの画素数の選び方もあわせて参考にしてください。

