「空き巣に入られたらどうしよう」「倒れたときに誰にも気づいてもらえないかもしれない」。高齢になってからの一人暮らしでは、こうした不安を一人で抱えてしまう人が少なくありません。家族に心配をかけたくない、相談するのも気が引ける。それでも対策は後回しにしたくない、という人のために、この記事では家族の手を借りずに自分の意思だけで今日から始められる防犯グッズと、工事不要で本人が直接契約できる見守り・警備サービスを、価格と設置のしやすさで整理して紹介します。
なぜ高齢者の一人暮らしは防犯対策が必要なのか
警察庁の「刑法犯に関する統計資料」でも、侵入窃盗の発生件数は2022年以降3年連続で増加傾向にあり、住宅のうち一戸建てが狙われる割合が高いことが示されています。単身や夫婦のみの高齢世帯は、日中不在になる時間帯が周囲から推測されやすく、在宅時も体力的な抵抗が難しいと見られやすいため、空き巣だけでなく訪問を装った押し入り強盗や特殊詐欺の標的にもなりやすいといわれています。
対策の多くは、工事や家族の同席がなくても、数千円のグッズを自分で購入して取り付けるだけで始められます。まずは「侵入させない」「侵入に気づかせる」「もし何かあったら助けを呼べる」の3段階で、できることから揃えていきましょう。
今日から自分で始められる防犯対策グッズ
工具を使った工事が必要な対策もありますが、ここで紹介するのは基本的に賃貸でも持ち家でも自分一人で設置できるものです。
玄関の対策:補助錠・ドアスコープ・モニター付きインターホン
一般的な玄関ドアは鍵穴が1つだけの「ワンドアワンロック」が多く、ピッキングや鍵穴破壊に弱いとされています。工具を使わず貼り付けるだけの補助錠を追加すると、侵入にかかる時間を大きく延ばせます。来訪者の顔を見ずにドアを開けてしまう不安がある場合は、ドアを開けなくても相手を確認できるモニター付きインターホンへの交換も有効です。
窓の対策:後付け補助錠・防犯フィルム
掃き出し窓や面格子のない窓は、クレセント錠だけでは防犯性が十分ではありません。窓枠に後付けできる補助錠と、ガラスに貼るだけの防犯フィルムを組み合わせると、ガラスを割って侵入するまでの時間を稼ぎやすくなります。
外周の対策:センサーライト・防犯カメラ・防犯ステッカー
玄関先や勝手口に人が近づくと自動で点灯するセンサーライトは、電池式やソーラー式のものなら配線工事なしで自分で取り付けられます。屋外用の防犯カメラを合わせて設置すれば、万が一の際の記録としても役立ちます。「防犯カメラ作動中」「警備会社契約中」といった防犯ステッカーを貼るだけでも、下見をする侵入者への抑止効果が期待できるとされています。
詐欺・不審な電話への対策
侵入窃盗だけでなく、高齢者を狙った特殊詐欺の多くは固定電話経由でかかってきます。着信を自動録音し、相手に警告メッセージを流す防犯機能付き電話に切り替えておくと、不審な電話に自分で応答する前の段階で対策できます。
緊急時に助けを呼ぶための備え
侵入者への対策とは別に、転倒や急な体調不良など「とっさの時に声を出せない」場面もあります。ボタンを押すだけで大音量が出る防犯ブザーや、首にかけておける携帯型の緊急ボタンは、外出時・在宅時のどちらでも使えます。
グッズだけでは不安なら、プロの見守り・警備サービスという選択肢
グッズは自分のペースで揃えられる一方、「倒れて動けなくなったときに、実際に駆けつけてくれる人がいない」という不安には対応できません。セコムとALSOKには、契約者本人が一人暮らしのまま直接契約できる高齢者向けプランがあります。月額費用・工事の有無・緊急時の駆けつけ対応を比較しました。
高齢者向け見守り・警備サービス比較一覧表
| 項目 | セコム 親の見守りプラン |
ALSOK HOME ALSOKみまもりサポート |
ALSOK セルフセキュリティ |
|---|---|---|---|
| 月額費用(税込) | レンタル5,610円 買取3,630円 |
ゼロスタート3,069円 レンタル2,838円 買取1,870円 |
990円 |
| 初期費用(税込) | レンタル:工事料54,890円+保証金20,000円 買取:284,680円(工事料込み) |
ゼロスタート:0円 レンタル:工事費13,365円 買取:工事費13,365円+機器費57,200円 |
コントローラー設置のみ(壁面工事不要) |
| 契約期間 | 当初5年間、以降1年ごと更新 | 5年契約、以降1年ごと更新 | 1年契約、以降1年ごと更新 |
| 緊急時の駆けつけ | ✅ ペンダント型「マイドクター」を握るだけで通報 | ✅ 緊急ボタンで駆けつけ(緊急以外の依頼は1回7,700円) | ❌ まずスマホへ通知。依頼時のみ1回7,700円で駆けつけ |
| 工事 | 必要(契約後1週間程度、通常1日で完了) | 必要(契約後約1週間で調整) | 不要 |
※価格・条件は2026年10月時点で各社公式サイトに掲載されていた情報です。契約前に必ず公式サイトで最新の金額をご確認ください。
セコム「親の見守りプラン」の特徴
救急通報ボタン「マイドクター」はペンダント型で、軽く握るだけで自動的にセコムへ信号を送信する生活防水タイプのため、入浴中でも使用できます。一定時間動きを感知しない場合に自動で異常信号を送る安否みまもり機能や、24時間看護師に相談できる窓口も用意されています。窓・扉周りの防犯センサーと火災センサーも標準で組み込まれており、防犯と見守りを1つの契約でまとめたい人に向いています。
セコム・ホームセキュリティの評判・口コミ・料金まとめでは、一般向けプランとの違いも含めて詳しく解説しています。
ALSOK「HOME ALSOKみまもりサポート」とセルフセキュリティの違い
みまもりサポートは工事を伴うぶん、緊急ボタンを押すとALSOKの警備員が駆けつける体制が月額料金に含まれています。一方セルフセキュリティは壁面工事が不要で月額990円から始められますが、異常が起きたときはまずスマートフォンに通知が届き、駆けつけを依頼するかどうかは自分で判断する仕組みです。「まず費用を抑えて試したい」ならセルフセキュリティ、「駆けつけ対応まで任せたい」ならみまもりサポートが向いています。
ALSOKホームセキュリティの評判・口コミ・料金まとめで他のプランとも比較できます。
グッズとサービス、自分に合う組み合わせの選び方
すべてを一度に揃える必要はありません。自分の生活状況に合わせて、次のように優先順位をつけるとむだがありません。
- 体力に不安はなく費用を抑えたい人:補助錠・防犯フィルム・センサーライトなどのグッズを中心に揃え、必要に応じてALSOKのセルフセキュリティを追加する
- 持病や転倒への不安がある人:ペンダント型の緊急通報がついたセコムの親の見守りプランやALSOKのみまもりサポートを検討する
- 近くに住む家族と状況を共有したい人:防犯グッズに加えて、スマートフォンで確認できる高齢者見守りアプリやWi-Fi不要の見守りカメラを併用する
- 賃貸で工事ができない人:工事不要のグッズと工事不要のセルフセキュリティを組み合わせる
よくある質問
Q. 賃貸マンションでも補助錠や防犯フィルムを自分で取り付けていい?
A. 原状回復が条件になっている物件が多いため、ドリルで穴を開けるタイプの補助錠は契約内容を確認してから選んでください。吸着テープや両面テープで貼るだけのタイプなら、剥がした跡が残りにくいものが多く、持ち家でも賃貸でも使いやすい選択肢になります。
Q. セコムやALSOKは、同居する家族がいなくても一人で契約できる?
A. できます。資料請求や契約の申し込みは本人名義で進められ、来訪員による説明も本人だけで受けられます。家族に同席してもらう義務はないため、まずは公式サイトから資料請求や見積もりだけを試してみるのも1つの方法です。
まとめ:家族に頼らず、自分のペースで防犯対策を
侵入窃盗や特殊詐欺の対策は、玄関・窓・外周・電話・緊急時の5つに分けて考えると、何から手をつければいいかが見えてきます。まずは補助錠や防犯フィルムなど低価格で自分一人で設置できるグッズから始め、持病や転倒への不安があるなら、本人のまま契約できるセコムやALSOKの高齢者向けプランも選択肢に入れてみてください。どちらも家族の同席なしで資料請求や相談ができます。


