
在宅勤務中は「家に人がいるから空き巣は入られない」と思われがちですが、実際は逆です。警察庁の統計では、住宅対象の侵入窃盗のうち3割以上が住人の在宅中に発生しており、テレワークの普及で日中の在宅時間が増えたことで、このリスクはむしろ高まっています。宅配業者を装った訪問者、置き配の盗難、仕事に集中するあまり甘くなる施錠管理など、在宅ワーカーが見落としがちな防犯の盲点を、公式データをもとに解説します。
テレワーク世帯が陥りやすい「家にいるから安全」という思い込み
侵入窃盗というと「留守中に入られる空き巣」をイメージしがちですが、犯罪の手口はそれだけではありません。住人が家にいる時間帯を狙う「居空き」、就寝中の隙を突く「忍込み」も、住宅侵入窃盗の主要な手口として警察庁の統計に計上されています。セコムの防犯コラムでも、侵入窃盗の認知件数の3割以上が住人の在宅中に発生しており、在宅勤務の普及以降この割合は上昇傾向にあると指摘されています。
「居空き」「忍込み」はテレワーク世帯こそ要注意
居空きは日中、住人が起きている時間帯を狙う手口です。犯人は在宅していることを承知のうえで、家人が別の部屋にいる隙や、目が届きにくいタイミングを見計らって侵入します。忍込みは夜間、就寝中の無防備な状態を狙う手口です。どちらも「家にいるから大丈夫」という油断につけ込む点が共通しています。
テレワーク中は仕事に集中していると室内の異変に気づきにくく、オンライン会議でイヤホンをつけていると窓や玄関の物音を聞き落とす可能性があります。デスクに向かっている時間が長いほど、家の中で自分の死角になる場所への注意が薄れやすい状態です。
令和3年の警察庁統計を紹介する防犯関連コラムによると、居空きの認知件数は982件、忍込みは5,135件に上ったとされています。件数だけを見ると空き巣より少なく感じますが、犯人と鉢合わせすれば強盗や傷害事件に発展するおそれがある点で、被害の深刻度は空き巣よりも高いと位置づけられています。テレワークで在宅時間が増えるほど、この「在宅中に狙われるリスク」と隣り合わせで働くことになると理解しておく必要があります。
在宅ワーカーが見落としがちな3つの防犯の盲点
盲点1|宅配業者を装った訪問者
「宅配です」とインターホンで名乗り、玄関が開いた瞬間に押し入る手口が報告されています。ガス点検や消防点検、水道点検を名目にする例もあり、生活に身近な業者を装うことで警戒心を下げるのが特徴です。在宅ワーク中は仕事の合間に反射的にドアを開けてしまいやすく、こうした手口に対する防御が手薄になりがちです。
本物の宅配業者は制服を着用し、社名を名乗り、名札や社員証を携帯しています。強引に玄関を開けるよう促す、荷物の内容が曖昧、身分証の提示を拒む場合は不審者を疑ってください。インターホン越しに要件を確認し、すぐにドアを開けない、対応時はドアチェーンをかけたままにするという基本動作を徹底することが有効です。
盲点2|置き配の盗難
在宅勤務で日中も自宅にいるにもかかわらず、仕事に集中していて置き配の荷物に気づかず、そのまま盗まれるケースがあります。日本PCサービスが2024年6月に実施した調査によると、置き配の紛失・盗難を経験した人は1.3%、そのうち42.1%に金銭的被害が生じ、平均損害額は4万2,876円でした(2025年1月公開)。年代別では20〜39歳の男性の被害率が最も高く、ネット通販や置き配の利用に慣れた世代ほど被害に遭いやすい傾向が示されています。
対策として、玄関先ではなく宅配ボックスや宅配ロッカーでの受け取りを指定する、置き配指定をやめて対面受け取りに切り替える、荷物が届いたらできるだけ早く室内に取り込む、といった行動が有効です。マンションであれば宅配ボックスの利用を、戸建てであれば据え置き型の宅配ボックス導入を検討する価値があります。
盲点3|仕事に集中するほど甘くなる施錠管理
「ゴミ出しだけだから」「換気のためだけ」と短時間の外出や換気で玄関・窓の施錠を後回しにしていないでしょうか。侵入窃盗の手口として最も多いのは「無施錠」を狙われるケースで、次いでガラス破りが続きます。テレワーク中は在宅時間そのものは長くても、宅配便の受け取りやちょっとした外出のたびに施錠がおろそかになりやすい点が盲点です。
窓は上部に補助錠を追加すると、犯人が立ったまま作業する必要が生じて人目につきやすくなり、抑止効果が高まります。ガラス窓には防犯フィルムを貼る、ベランダ周りに足場になる物を置かないといった基本対策も、在宅時こそ見直しておきたいポイントです。
テレワーク世帯の防犯対策チェックリスト
| 対策項目 | 具体的なアクション | 優先度 |
|---|---|---|
| 玄関の施錠 | 短時間の外出・換気でも必ず施錠、補助錠の追加 | 高 |
| 窓の施錠・強化 | 窓の上部に補助錠を設置、ガラスに防犯フィルムを貼付 | 高 |
| 訪問者への対応 | インターホン越しに確認、ドアチェーンをかけたまま応対 | 高 |
| 置き配の受け取り方 | 宅配ボックス指定、対面受け取りへの切り替え | 中 |
| 防犯カメラ・ステッカー | 玄関・窓周りに設置し「見せる防犯」で犯行を抑止 | 中 |
| ホームセキュリティ | セコムの「在宅セコムモード」「部分セットモード」等の活用を検討 | 中 |
防犯グッズで在宅ワーク中の対策を強化する
在宅ワーク中の防犯対策は、大掛かりな工事をしなくても市販の防犯グッズで強化できます。テレワーク世帯の盲点になりやすい「窓」「玄関」「荷物の受け取り」の3か所を優先して見直すのが効率的です。
窓の補強には、後付けできる窓用補助錠が手軽です。
ガラス破りへの備えとしては、防犯フィルムの併用が有効です。
置き配の盗難対策には、玄関先に置く据え置き型の宅配ボックスが役立ちます。
訪問者を映像で確認したい場合は、玄関に設置するドアホンカメラや屋外用の防犯カメラを組み合わせると、宅配業者を装った訪問者への対策と「見せる防犯」を同時に強化できます。防犯シール・ステッカーも、費用をかけずに始められる抑止策として有効です。
ホームセキュリティの「在宅セコムモード」という選択肢
市販グッズでの対策に加えて、より広い範囲をカバーしたい場合はホームセキュリティの導入も選択肢になります。セコムのホームセキュリティには、在宅中もドアや窓の侵入監視センサーを警戒状態にしておける「在宅セコムモード」と、1階など特定のフロア(エリア)を警戒状態にする「部分セットモード」が用意されており、テレワーク中に自分がいない階を部分セットモードで警戒するといった使い方ができます。玄関の防犯対策やスマートロックと組み合わせれば、施錠忘れそのものを減らすことも可能です。導入を検討する場合は、料金や対応エリアを公式サイトで確認したうえで判断してください。
セコムのホームセキュリティの評判や料金の詳細は、セコム・ホームセキュリティの評判・口コミ・料金を徹底解説で詳しく解説しています。
テレワーク世帯の防犯対策でよくある質問
Q. オンライン会議中でも施錠を確認する余裕がありません。何から始めればいいですか
まずは「離席のたびに玄関と窓を確認する」というルールを、休憩やトイレのタイミングに合わせて習慣化するのが現実的です。窓に補助錠を追加しておけば、閉め忘れに気づいた際もワンタッチで施錠でき、確認の手間を減らせます。
Q. 置き配をやめたくないのですが、盗難を防ぐ方法はありますか
置き配の利便性を保ったまま対策するなら、玄関先ではなく宅配ボックスや宅配ロッカーを受け取り場所に指定する方法があります。荷物が届いた通知を受け取ったら、仕事の合間でもできるだけ早く室内に取り込む習慣をつけることも有効です。
Q. 賃貸住まいでも防犯カメラやホームセキュリティは導入できますか
賃貸物件では、工事不要で設置できるタイプの防犯カメラや、後付け型のスマートロックを選べば原状回復の負担を抑えられます。ホームセキュリティも工事不要プランを扱う事業者があるため、契約前に対応可否を公式サイトで確認してください。
まとめ:こんな人におすすめ
在宅勤務中の防犯対策は、次のような人ほど見直す価値があります。
- 在宅勤務日は仕事に集中していて、玄関や窓の施錠を後回しにしがちな人
- 置き配を日常的に利用していて、荷物の受け取りを後回しにしてしまう人
- インターホンが鳴るとすぐにドアを開けてしまう習慣がある人
- 万が一空き巣と鉢合わせした場合の対応にも不安がある人
「家にいるから安全」ではなく「家にいても油断できない」という前提に立ち、施錠・訪問者対応・荷物の受け取りという3つの基本を今日から見直してください。防犯グッズでの対策に加えて、より本格的な備えを検討したい場合は、ホームセキュリティの在宅セコムモードのような見守り機能も比較検討の候補に入れておくと安心です。




