台風や地震で停電が起きると「スマートロックが開かなくなって家に入れないのでは」「防犯カメラが止まって留守中が無防備になるのでは」と不安になる人は多いはずです。実際には、スマートロック本体の多くは乾電池で動くため停電そのもので即座に開かなくなるわけではありません。一方で防犯カメラは電源方式によって停電時の挙動が大きく分かれます。この記事では、停電時にスマートロック・防犯カメラがどうなるのかを仕組みから整理し、台風・地震シーズン前にやっておきたい具体的な備えをまとめます。

先に結論:止まりやすいのはカメラ、スマートロックは電池切れとの"重なり"が本当の危険

スマートロック本体は家庭用電源からではなく内蔵の乾電池・リチウム電池で動作する製品がほとんどです。そのため停電が起きても本体の施錠・解錠機能自体はすぐには止まりません。止まるのは「スマホの専用アプリから遠隔操作する」「スマートスピーカーと連携して音声で解錠する」といったネットワーク経由の機能です。家庭のWi-Fiルーターは基本的にAC電源で動いているため、停電でルーターが落ちるとスマホ操作や外出先からの解錠はできなくなります。本当に危ないのは、停電とスマートロック本体の電池切れが同時に起きるケースです。この場合は外側から給電して復活させることもできなくなるため、物理鍵の携帯が最後の保険になります。

防犯カメラは逆に、AC電源直結タイプが多く停電の影響を直接受けやすい機器です。内蔵バッテリー型やソーラーパネル併用型を選んでいるかどうかで、停電中に監視を続けられるかが大きく変わります。

停電でスマートロックはどうなるか

本体は電池駆動のため、家の停電では直接止まらない

代表的なスマートロックは単3〜単4形の乾電池やCR123Aなどのリチウム電池で駆動します。電池残量が十分であれば、停電中でも鍵穴での施錠・解錠や本体のボタン操作は通常どおり使えます。

止まるのはスマホ操作・オートロック連携などの「ネット経由の機能」

一方で、スマホの専用アプリによる遠隔解錠、ハンズフリー解錠、スマートスピーカー連携などはWi-Fiルーターやスマートロック本体のBluetoothハブ経由で通信しています。停電でルーターの電源が落ちると、この経路が切れてアプリからの操作ができなくなります。玄関先で物理的に触れる操作(オートロックのタッチ解錠、暗証番号入力など)は本体の電池が生きていれば機能することが多いですが、製品によって挙動は異なるため、購入前に「停電時・オフライン時の動作」をメーカーの仕様ページで確認しておくことをおすすめします。

電池切れと停電が重なると締め出される恐れがある

スマートロックは電池残量が一定の閾値(製品によりますが残量30%前後で動作が不安定になるとアナウンスしている機種もあります)を下回ると、本体保護のため動作を停止する場合があります。停電中にこの状態が重なると、スマホ経由の復旧も外部給電での復旧もできず、完全に締め出されるリスクがあります。これを避けるには、電池残量の通知が来たらすぐ交換する、予備電池を自宅に常備する、そして従来の物理鍵を財布や職場など「家の外」にも1本保管しておくことが基本になります。くわしいリスクと選び方はスマートロックの仕組みと防犯効果を解説した記事と、玄関スマートロックのメリット・デメリットの記事も参考にしてください。

スマートロックのタイプ別・停電時の挙動比較

タイプ 本体の施錠・解錠 スマホ遠隔操作 停電時に取るべき行動
サムターン後付け型(電池駆動) ○ 電池が生きていれば可 ✕(ルーター停止で不可) 本体の鍵穴・手動解錠で対応、予備電池を準備
電気錠一体型(外部給電端子あり) ○ 本体電池+緊急給電端子で対応可 ✕(同上) モバイルバッテリー等で緊急給電端子から給電
電気錠一体型(外部給電端子なし) △ 本体電池切れ時は復旧不可の製品もある ✕(同上) 物理鍵併用を必須にしておく
工事不要の後付けロボット型 ○ 電池が生きていれば可 ✕(同上) 本体ボタン操作+物理鍵を携帯

※挙動は製品・機種によって異なります。導入前に各メーカーの仕様ページで「停電時」「オフライン時」の動作を必ず確認してください(2026年時点の一般的な傾向として整理したものです)。

停電で防犯カメラはどうなるか

AC電源直結タイプは停電で即停止する

コンセントに挿すだけで使う室内用・室外用カメラの多くはAC電源直結で、バッテリーを内蔵していません。停電が起きると録画・ライブ映像ともにその場で止まり、停電が終わるまで監視できない状態になります。

充電式バッテリー内蔵タイプは数週間〜数ヶ月動く製品もある

屋外用の工事不要カメラには、大容量バッテリーを内蔵し満充電で数ヶ月稼働できるとメーカーが案内している製品もあります。停電中でも充電済みのバッテリーが残っていれば録画・検知を継続できるため、台風や地震の多いエリアではこうした機種が有力な選択肢になります。

クラウド録画は家庭のWi-Fiルーターが止まると録画できない

カメラ本体が充電式バッテリーで動いていても、クラウド録画はインターネット回線を経由するため、停電でルーターが止まるとアップロードができず録画が途切れます。停電が起きやすい地域では、SDカードなどローカル保存に対応したカメラを選んでおくと、ルーターが落ちても本体メモリへの録画は継続できます。クラウドとSDカードどちらを選ぶべきかはクラウド保存とSDカード保存の違いを比較した記事で詳しく解説しています。

ソーラーパネル併用タイプなら長期停電でも安心度が上がる

屋外設置の防犯カメラには専用のソーラーパネルを後付けできる製品があります。日中に太陽光で充電しながら使えるため、停電が数日続くような災害時でも電池切れを起こしにくくなります。長期の停電リスクが気になる戸建てにはソーラー防犯カメラの選び方の記事も参考になります。

防犯カメラの電源方式別・停電耐性比較

電源方式 停電直後の動作 長時間停電時の継続力 向いている人
AC電源直結のみ 即停止 なし(復電まで監視不可) 停電がほぼ起きない都市部の室内用途
内蔵バッテリー型(クラウド録画) バッテリーが生きていれば継続 ルーター停止で録画自体は途切れる 短時間の停電が多いエリア
内蔵バッテリー型(SDカード録画) バッテリーが生きていれば継続 ルーターが止まっても本体録画は継続 台風・地震で停電が長引きやすいエリア
ソーラーパネル併用+バッテリー 継続 日中の充電で長期停電にも対応しやすい 戸建て・別荘など電源確保が難しい場所

セコム・アルソックなど警備会社のホームセキュリティは停電でも使えるか

警備会社の機械警備システムは、設置した機器の内部にバックアップ用のバッテリーを備えているのが一般的です。これにより建物全体が停電しても一定時間は警備機能やセンサーが作動し、異常があれば警備会社への通報も可能になります。ただし、バックアップバッテリーが持続する時間は機種や経年劣化によって差があり、公式サイトでも「数時間程度」といった幅のある案内がされているため、正確な稼働時間は契約している警備会社に直接確認するのが確実です。契約中の会社の詳細はセコムのホームセキュリティの評判・料金を解説した記事、アルソックのホームセキュリティの評判・料金を解説した記事で確認してください(料金・サービス内容は変更される場合があるため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください)。

停電に備えて今すぐできる防犯対策チェックリスト

  • スマートロックの予備電池を自宅に常備し、電池残量の通知が来たらすぐ交換する
  • 物理鍵を1本、自宅以外(職場のロッカー・車・貴重品ポーチなど)に保管しておく
  • モバイルバッテリー・ポータブル電源を用意し、電気錠の緊急給電端子やルーターの一時給電に使えるようにしておく
  • 防犯カメラはSDカード録画対応・内蔵バッテリー型を選び、ルーター停止でも本体録画が続く構成にしておく
  • 長期停電が想定される地域ではソーラーパネル併用のカメラを検討する
  • 停電時は普段アプリでオートロックに任せている玄関も、手で施錠したか必ず目視確認する習慣をつける

停電対策の基本的な備え(モバイルバッテリーや予備電池の確保)は、下記のようなアイテムを事前にそろえておくと落ち着いて行動できます。

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停電に強いスマートロック・防犯カメラの選び方

チェック項目 確認すること
電源方式 電池駆動か、外部給電端子があるか
物理鍵併用の可否 完全オートロック専用か、従来鍵も使えるか
録画の保存先 クラウドのみか、SDカードなどローカル保存にも対応するか
バッテリー持続時間 満充電で何日〜何ヶ月稼働するとメーカーが案内しているか
ソーラー充電対応 専用ソーラーパネルの後付けが可能か

既に使っているスマートロックの買い替えを検討している場合はスマートロックのおすすめ比較記事、戸建てへの後付けを検討している場合は戸建て向けスマートロック後付けの費用と注意点の記事、賃貸にお住まいの場合は工事不要の賃貸向けスマートロックの選び方の記事もあわせて確認してください。

まとめ:こんな人におすすめ

停電そのものでスマートロックが即座に開かなくなるケースは多くありませんが、ルーター停止によるスマホ操作不可と、本体の電池切れが重なるケースへの備えは必須です。防犯カメラは電源方式によって停電時の挙動が大きく変わるため、停電の多い地域では内蔵バッテリー型・SDカード録画対応・ソーラー併用型を軸に選ぶのが安心です。台風や地震のシーズンが来る前に、予備電池・物理鍵・モバイルバッテリーの3点を見直しておきましょう。

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